コーヒー豆のあれこれ28回目
「ウォッシュドプロセスのおはなし:後編」
~コーヒーについて理解を深めていく~
はじめに
みなさんこんにちはさかうぇいです。今回はコーヒー豆のあれこれシリーズでお話したコーヒーチェリーのおはなしから発展して、コーヒーチェリーが普段私たちがコーヒー豆と呼び馴染み深い焙煎されたコーヒーになるまでの過程の話を何回かに分けてお話していきます。写真がないので、さかうぇいががいたイラストがちょこちょこ出現します。お見苦しい点もございますが、ご了承ください。
今回はウォッシュドプロセスのおはなし後編です。
前編からつながっていますのでご覧いただいていない方はこちらもよろしくお願いします。
シリーズ過去記事はサイトマップからご覧ください!!
前回の復習
ウォッシュドプロセスはコーヒーチェリーの収穫後、水を張った水槽などにコーヒーチェリーを浮かべ、余分な枝くずや葉、未熟なチェリーを取り除きます。(完熟の質の高いチェリーは水の底へ沈むため選別ができます)ウォッシュドプロセスの良いところは品質の高い熟したコーヒーチェリーとそうではないコーヒーチェリーを選別できるほか、コーヒーの持つ雑味が除去されやすい(未熟なコーヒーチェリーをのぞけるほか、コーヒー豆自体を水で洗っているため余分なものが除去される)ため、クリアな味わいになるといわれています。
その反面工程が多いので大規模になりやすく、土地が必要な点、そして大量に水を使用するので、きれいな水が確保できる場所、そしてお金がかかるという点がデメリットになります。
選別が終わった後、パルパーにかけて外皮と果肉を取り除きます。
コーヒーチェリーの構造については以前のこちらの記事をご覧いただくとご理解いただけると思います。
パルパーにかけられて、ミューシレージが残った状態になった豆は発酵槽へ送られます。発酵槽で水に24時間以上漬け、自然発酵させ、酵素などの力によりミューシレージをはがしやすくします。その後、水路などに豆を流し、水で洗い流すことでミューシレージを完全に取り除きます。非常に絵心がないので申し訳ないのですが、水路に流してミューシレージを除去する作業のイメージを絵にかきましたのでご覧ください。(あくまでイメージですのでご理解ください。)
こうしてミューシレージを除去できたものをパーチメントコーヒーといいます。ウォッシュドプロセスの場合パーチメントはこの時点では脱穀せずに次の工程へ移ります。
乾燥からパーチメントの除去、出荷まで
無事ミューシレージを取り除くことができたパーチメントコーヒーは水に晒しているため、通常よりも水分の含有量が多くなります。また以降出荷までの間に水分を含有していると豆が腐ってしまうなどの恐れがあります。そこで、乾燥の工程に移ります。
乾燥工程にも複数の手法があります。この写真のものは「アフリカンベッド」と呼ばれる地面との間に隙間を作り、天日干しをする手法です。
このほかにも「パティオ」と呼ばれる手法。これはスペイン語で庭園や中庭などを指すそうですが、コンクリートの地面に直接パーチメントコーヒーを広げて乾燥させる手法です。基本的にこの作業は雨の降る心配がない乾季の時期に行わないといけない理由がよくわかるかと思います。一度広げてしまったところへ雨が降ると大変なことになってしまいますね。屋根のあるところやビニールハウスで乾燥を行うところもあるそうです。またこのほかにも機械を使って乾燥させる「機械式乾燥」という手法も使われます。乾燥日数は4日から10日程度といわれ豆の状態や気候の状態により変動します。
乾燥が終わったパーチメントコーヒーは最大で2か月程度熟成期間を与えられます。
熟成期間を終えたパーチメントコーヒーは最終工程に移ります。ここでパーチメントと一部のシルバースキンを脱穀する作業に入ります。脱穀と選別が行われたものが晴れて「生豆」として出荷段階へと進みます。
こうして長いコーヒーの精製作業が終了します。
各国のコーヒーバイヤーなどによって取引が行われ出荷されていき、焙煎士やロースター、工場などに運ばれ焙煎の工程に移り消費されていく過程をとります。
ウォッシュドプロセスのおはなし後編のまとめ
いかがでしたでしょうか?まず初めにウォッシュドプロセスのおはなしをしてみました。私たちが、何気なく飲んでいるコーヒーですが、コーヒーとして消費するまでには様々な工程、そしてさまざまな人たちがかかわり、生産、精製、焙煎、抽出などの工程を踏み消費されています。過去にはコーヒーの生産国の地位が低く、適正な価格で取引されていなかった時代もあったそうです。現在でも一部そのような悪い風習が残っているようです。さかうぇいは、ぜひコーヒーを飲む際には感謝の気持ちを込めて味わって、そして何より、コーヒーを楽しんでいただきたいと強く願っております。
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